臨床試験紹介(急性骨髄性白血病:Quizartinib併用化学療法+維持療法)(NCT06578247)

はじめに(疾患背景と現行治療の課題)

急性骨髄性白血病(AML)は進行の速い血液がんであり、特にFLT3-ITD陰性の症例に対する治療選択肢は限られてきました。

Quizartinibは主にFLT3-ITD陽性のAMLに対して効果が期待されてきたFLT3阻害薬ですが、第 2相のQUIWI試験ではFLT3-ITD陰性のAMLにも効果が示唆されており、この成果を踏まえ、本試験(QuANTUM-Wild試験)では新たに栄養療法や維持療法を含む戦略として試験されます。

このように新薬と標準的な化学療法の併用は、治療効果および生存期間の改善につながる可能性がありますが、現時点ではあくまで検証中です。

治療の位置づけ(+やさしい解説)

専門的な解説

本試験では、FLT3阻害薬であるQuizartinibを標準的な化学療法(導入療法および集積療法)に組み込み、さらにその後の維持療法としても継続投与することで、FLT3-ITD陰性のAML患者における全生存期間(OS)の改善を目指します。

これにより、従来の化学療法単独と比較して、より優れた治療アウトカムが期待され、またイベントフリー生存期間(EFS)や完全奏効率(CR)などの指標での評価も計画されています。

効果や安全性については現在検証中です。OncLiveTrialstrackerがん情報センター

やさしい解説

この治療は、AMLという血液がんに対して新しい薬 Quizartinib(フルチニブ と読みます)を、まず抗がん剤(化学療法)と一緒に使い、その後も長期間続けて投与することで、がんをしっかり抑え、再発を防ぐ可能性を探します。今は効果を調べている途中です。

患者さん向け解説

この試験は、一般的な治療で十分な効果が得られにくい急性骨髄性白血病(AML)に対して、新しい治療法を探っている研究です。

どんな治療なの?

この治療では、FLT3阻害薬であるQuizartinibを、まずは通常の抗がん剤(化学療法)と組み合わせ、その後もQuizartinibを維持療法として続けます。効果や安全性は現在検証中です。OncLiveがん情報センター

治療の流れ

  • 投与開始は、まず化学療法(導入療法・集積療法)とQuizartinibを併用します。
  • その後、維持療法としてQuizartinibを継続投与します。
    ※具体的な投与間隔や用量は公表情報なしです。Trialstracker

どのくらい通院が必要?

詳細なスケジュールは公表情報なしですが、化学療法期間中および維持療法期間ともに頻回な通院や入院が必要となる可能性があります。

どんな検査があるの?

AML治療では通常、血液検査(白血球数や血小板数、肝腎機能など)、骨髄検査、画像検査などが定期的に行われますが、本試験固有の情報は公表情報なしです。

日常生活の注意点

治療中は体調の変化や感染症リスクを注意深く観察し、発熱や出血、極度の疲労などがあれば、速やかに主治医に連絡してください。

参加を検討する方へ

この治療は研究段階であり、すべての方に明確な利益があるとは限りません。副作用の可能性もあり、科学的な検証の途中です。参加の可否については、必ずご担当の主治医とよくご相談ください。

試験概要

試験番号(NCT)/正式名称
NCT06578247:Phase 3, Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled Trial Of Quizartinib Administered in Combination With Induction and Consolidation Chemotherapy and Administered as Maintenance Therapy in Adult Patients With Newly Diagnosed FLT3-ITD Negative Acute Myeloid Leukemia TrialstrackerDSI

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Daiichi Sankyo UCSF 臨床試験DSI

フェーズ/デザイン
フェーズ3/二重盲検・プラセボ対照・ランダム化試験 DSISoho Online

対象疾患とバイオマーカー条件
新規診断のFLT3-ITD陰性AML(18〜70歳) Soho OnlineDSI

投与プロトコール(間隔、経路、開始タイミング)
化学療法(7+3)+クイズアルチニブまたはプラセボ併用(導入・地固め)、維持療法として経口投与を最大36サイクル継続 Soho OnlineDSI

登録予定数と期間
約700名、登録期間は2024年11月開始、2030年6月終了予定 UCSF 臨床試験TrialstrackerDSI

ステータス
一部施設で患者受け入れ中、全体としては募集中 UCSF 臨床試験Soho OnlineTrialstracker

治験参加国
アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、北米、南米を含むグローバル試験 DSI

出典リンク
ClinicalTrials.gov 試験ページおよび Daiichi Sankyo プレスリリース、OncLive 記事などが情報源 UCSF 臨床試験DSIOncLive

試験進捗状況

  • 登録状況:募集中/進行中(Recruiting)と表示されています。
  • 最終更新日:2025年9月5日に最新のデータ更新が確認されています。Trialstracker
  • 日本の参加有無:公表情報なしです。明記された日本の施設は確認できません。

世界の疫学データ

本稿ではAML(急性骨髄性白血病)の世界および日本の罹患率や有病率データは明示的に取得しておりません。World Health Organizationや国立がん研究センターなどの信頼性のある機関情報を用いることが可能ですが、本試験ページに直接記載がないため、追って必要であればお知らせください。

免責事項

本記事は臨床試験の情報提供を目的としており、治療効果や安全性を保証するものではありません。試験参加の可否は、必ず主治医とご相談ください。

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