臨床試験紹介(大腸がん一次治療):Cadonilimab(AK104)併用療法(NCT06566755)

はじめに(疾患背景と現行治療の課題)

大腸がん(Colorectal Cancer)は、日本を含む多くの国で発症率の高いがんであり、進行・再発例も少なくありません。RAS遺伝子変異や右側結腸原発の転移性大腸がんでは、標準治療である化学療法に加えて、抗VEGF抗体(例:ベバシズマブ)を併用する治療が一般的ですが、効果に限界があることも多く、新たな治療戦略が求められています。本試験は、PD‑1/CTLA‑4二重標的抗体であるCadonilimab(AK104)を化学療法およびベバシズマブと併用することにより、治療の効果を増強できる可能性を検討するものです(期待されます)。シグマラーヴォル+10ケアアクロス+10メドケムエクスプレス+10


治療の位置づけ(+やさしい解説)

専門的説明

本試験では、Cadonilimab(AK104)というPD‑1およびCTLA‑4の二重に阻害する免疫チェックポイント阻害薬を、CapeOx(オキサリプラチン+カペシタビン)という化学療法および抗VEGF抗体のベバシズマブと併用しています。これは、それぞれ異なる機序でがん細胞への攻撃を促進し、相乗効果によって治療効果の向上と耐性克服を目指す併用療法戦略であり、特にRAS変異や右側原発のMSS(ミスマッチ修復不全でない)大腸がんに対し、その有効性と安全性をPhase 3で評価しています(検証中)。ケアアクロスセンターウォッチ

やさしい解説

簡単に言うと、Cadonilimab(AK104)は免疫の「ブレーキ」を外し、免疫細胞ががん細胞を攻撃しやすくなるようにする薬です。それに、がんを直接攻撃する化学療法と、「がんに行く血管をふさいで追い詰める」働きがあるベバシズマブを組み合わせて使うことで、がんに対してより強力にアプローチする戦略です。現在、効果と安全性をしっかり確かめている段階です(検証中)。


患者さん向け解説

どんな治療なの?

この治療は、3種類の薬を組み合わせて行います。

Cadonilimab(AK104)
PD‑1とCTLA‑4という、免疫の抑制を担う2つのブレーキを同時に止める薬です。これにより、免疫細胞ががんを再び攻撃しやすくなる可能性があります(検証中です)。

Chemotherapy(CapeOx)
オキサリプラチンとカペシタビンを組み合わせた化学療法で、がん細胞を直接攻撃します。

Bevacizumab(ベバシズマブ)
がんへ血液が届くのを妨げることで、がんを追い詰めます。

治療の流れ

  • 最初のサイクル(Cycle 1)から、以下を3週間に1回(Q3W)実施します。
    • Cadonilimab(AK104):10 mg/kg を静脈注射(Day 1、3週間ごと)
    • CapeOx
      • オキサリプラチン 130 mg/m²(Day 1、静脈注射)
      • カペシタビン 850 mg/m² を1日2回、Day 1〜14 経口
    • ベバシズマブ:7.5 mg/kg(Day 1、静脈注射)
  • 維持療法期間中は、Cadonilimab とベバシズマブは同様に継続し、カペシタビンは 1000 mg/m² を1日2回、Day 1〜14 経口に変更されます。PMC+10ケアアクロス+10メドケムエクスプレス+10

どのくらい通院が必要?

基本的には3週間に1回の通院となります。治療開始直後は、副作用や体調の変化を詳しく確認するため、通院頻度がやや多くなる可能性があります。

どんな検査があるの?

  • 血液検査(臓器機能や血球数など)
  • 画像検査(CTやMRIなどでがんの広がりを確認)
  • 心機能評価(必要に応じて)
  • 組織検査(PD‑L1発現など、遺伝子・分子マーカーの確認)

日常生活の注意点

治療中は疲労感や食欲の変化、吐き気などに注意し、無理をせず過ごしてください。熱や息切れ、強い倦怠感があれば、すぐに医療機関へご相談ください。

参加を検討する方へ

この治療はまだ研究段階であり、すべての方に効果があるとは限りません。副作用として、発熱、倦怠感、吐き気、血液の異常などが生じる可能性があります。参加の可否やリスクとベネフィットについては、必ず主治医とよくご相談のうえで判断してください。


試験概要


試験進捗状況

  • 登録状況:募集中(Recruiting)です。ClinicalTrials+7ケアアクロス+7DrugBank+7
  • 最終更新日:CenterWatch によると「2024年8月21日」が最終更新日と記載されています。センターウォッチ
  • 日本の参加有無:施設名や地域に関する情報は不明のため、「公表情報なし」とします。

世界の疫学データ

大腸がんは世界でも有病率・罹患率が高く、日本においても主要ながんの一つです(詳細な数字はClinicalTrials.govや試験サイトでは不明)。WHOや国際がん研究機関によると、日本では年間約13万人以上が大腸がんと診断されており、5年相対生存率は進行に伴い低下します。ただし、この試験が対象とする「RAS変異または右側原発、MSS、大腸がん」の罹患率の詳細な世界/日本データの一次ソースは現在手元にありません(公表情報なし)。


免責事項

本記事は臨床試験の情報提供を目的としており、効果や安全性を保証するものではありません。参加の可否やそのリスク・ベネフィットについては、必ず主治医とご相談いただき、ご判断ください。

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