はじめに(疾患背景と現行治療の課題)
ホルモン受容体(HR)陽性かつHER2陰性の転移性乳がんでは、一般的にホルモン療法とCDK4/6阻害薬の併用が第一選択として用いられています。しかし、治療抵抗性が進むと、従来の治療では効果が限定される場合があり、さらなる治療オプションの開発が切望されています。
本試験(HERTHENA-Breast04/NCT07060807)は、HER3を標的とした抗体薬物複合体(ADC)であるPatritumab Deruxtecan(HER3-DXd)を評価する第3相試験であり、新たな治療戦略としてその位置づけが注目されます。期待される効果は現在検証中です。
治療の位置づけ(+やさしい解説)
専門的な解説
本試験では、HER3を標的とするADCであるPatritumab Deruxtecan(HER3-DXd)が、既にホルモン療法とCDK4/6阻害薬併用治療に抵抗性を示したHR陽性・HER2陰性転移性乳がん患者に対し、化学療法(カペシタビン、パクリタキセル、リポソーム化ドキソルビシンなど)やトラスツズマブ デルクステカンと比較して、全生存期間や無増悪生存期間を改善する可能性を評価しています(検証中です)トライアルズトゥデイセンターウォッチTargeted Oncology。
やさしい解説
ホルモン療法とCDK4/6阻害薬が効かなくなってしまった乳がんに対し、HER3という目印を持つがん細胞を狙い撃ちする薬(Patritumab Deruxtecan)を使います。
この薬が、従来の抗がん薬よりも長く生き続けたり、がんの進行を抑える助けになるかどうかを調べている試験です。まだ効果は検証中です。
患者さん向け解説
この治療は、これまでの治療が効きにくくなった方や、手術が難しい方が対象です。特に、ホルモン受容体陽性・HER2陰性乳がんで、ホルモン療法+CDK4/6阻害薬に反応しなくなってしまった方が対象となっています。
どんな治療なの?
この治療では、Patritumab Deruxtecan(HER3-DXd)という薬を使います。HER3という目印に結合してがん細胞内に薬剤を届け、細胞を死滅させる仕組みです。効果は期待されていますが、現在検証中です。
治療の流れ
- 公表情報なし。 (ClinicalTrials.govページに詳細記載がなかったため)
どのくらい通院が必要?
- 公表情報なし。
どんな検査があるの?
- 公表情報なし。
日常生活の注意点
治療中は身体の変化に注意し、少しでも異常を感じたら主治医に相談してください。
参加を検討する方へ
この治療はまだ研究段階であり、すべての方に効果があるとは限りません。副作用についても現在評価中です。参加の可否やリスクなどについては、必ず主治医とよく相談してください。
試験概要
- 試験番号(NCT)/正式名称
- NCT07060807/A Clinical Study of Patritumab Deruxtecan to Treat Breast Cancer(MK-1022-016)センターウォッチmerckclinicaltrials.com
- スポンサー情報
- Merck Sharp & Dohme LLCセンターウォッチ
- フェーズ/デザイン
- フェーズ3、第3相試験センターウォッチ
- 対象疾患とバイオマーカー条件
- ホルモン受容体(HR)陽性・HER2陰性の転移性乳がん。ホルモン療法+CDK4/6阻害薬治療抵抗性ありTargeted OncologyICHGCP
- 投与プロトコール(間隔、経路、開始タイミング)
- 公表情報なし
- 登録予定数と期間
- 公表情報なし
- ステータス
- Active – Recruiting(募集中)センターウォッチ
- 治験参加国
- 公表情報なし。
- 出典リンク
- ClinicalTrials.gov にて NCT07060807(HERTHENA-Breast04)として掲載ClinicalTrials.govセンターウォッチ
試験進捗状況
世界の疫学データ
HR+/HER2-乳がんは世界および日本において、乳がん全体の主要サブタイプであり、治療意義の高い対象であることが明らかです。日本での総患者数は年間約10万人、うち治療対象HR+/HER2-が約4.3万人と考えられます。
免責事項
本記事は臨床試験の情報提供を目的としており、効果や安全性を保証するものではありません。参加の可否やリスク・ベネフィットは必ず主治医とご相談ください。
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