臨床試験紹介(非小細胞肺がん〈PD-L1陰性/EGFR・ALK非変異〉):QL1706+化学療法(NCT05690945)

はじめに(疾患背景と現行治療の課題)

非小細胞肺がん(NSCLC)は肺がんの大半を占める種類であり、早期には手術が選択されるものの進行・再発時には化学療法や免疫療法が主要な治療です。しかし免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は、PD‑L1陰性の症例では効果が得にくく、有効な一次治療の選択肢が限られています。このようにPD‑L1陰性の進行・転移NSCLCでは未だ unmet need が高く、QL1706と化学療法の併用により、治療成績改善が期待されます。
第一に、PD‑L1陰性患者に対してQL1706は化学療法との併用で新たな治療戦略となり得る可能性があります。効果は検証中です。


治療の位置づけ(+やさしい解説)

専門的な説明

QL1706はibero‑mabとtuvonra‑mabの融合による二重特異性抗体で、免疫活性化とがん細胞へのターゲティングを両立させる設計です。本試験では、PD‑L1陰性のステージ IIIB–IV NSCLC患者において、QL1706またはtislelizumabとの併用化学療法を比較し、第1次治療としてのPFSおよびOSを評価します。プラットフォームとして、化学療法による腫瘍免疫の引き起こし作用とQL1706の免疫賦活効果を相乗させることが目的ですが、有効性・安全性は検証中です。ClinicalTrials.gov+14Clinical Trials Arena+14cdn.most.gov.bd+14BioSpace+2DrugBank+2

やさしい解説

QL1706は、がんを見つけた免疫細胞が「攻撃しないで」と誤認するのを防ぐお薬と、がん細胞の目印にくっついて攻撃するお薬が組み合わさったものです。それを化学療法と一緒に使うことで、免疫力を高めつつ強力にがんを攻撃することが期待されます。ただし、この効果や安全性については現在検証中です。


患者さん向け解説

この試験は、これまでの治療が効きにくくなった方や、手術が難しい方が対象です。特に、非小細胞肺がん(NSCLC)で、がん細胞の表面にPD‑L1という印があまりなく、EGFRやALKに変異がない方に参加の可能性があります。

どんな治療なの?

この治療は、QL1706という新しい薬と化学療法を組み合わせる方法です。

QL1706
免疫の細胞ががんを攻撃できるようにサポートする薬です。

治療の流れ

  • 最初にQL1706または比較対象のtislelizumabと化学療法を4サイクル実施します。
  • その後、QL1706またはtislelizumabを使った維持治療に移ります。BioSpace

どのくらい通院が必要?

基本的には、4サイクルの併用治療+維持治療という通院スケジュールになります。具体的な頻度は公表情報なしです。

どんな検査があるの?

公表情報なし。

日常生活の注意点

治療中は体調の変化に注意し、つらさや変化があれば早めに医療従事者に相談してください。

参加を検討する方へ

この治療はまだ研究段階であり、すべての方に効果があるとは限りません。副作用や効果の詳細は検証中です。参加の可否は主治医とよく相談してください。


試験概要


試験進捗状況

現在、約650人の患者登録を目標とし、2023年2月16日に最初の担当患者に治療を開始しています。更新情報(最終更新日・日本での参加施設など)は公表情報なしです。


世界の疫学データ

対象となるPD-L1陰性の進行・転移非小細胞肺がんの罹患率や有病率は、ClinicalTrials.govおよび公的機関に該当データがないため、現時点では取得できません。必要であれば、WHOや国立がん研究センターなどの信頼できる疫学データを改めて探す必要があります。


免責事項

本記事は、臨床試験についての情報提供を目的としており、治療の効果や安全性を保証するものではありません。参加可否やリスク・ベネフィットについては、必ず主治医とご相談ください。

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